寄り道(10)ホライズン周辺
- 寄り道:Lv10.ペイストの瞳
- F.A.T.E.Lv10.荒野の用心棒
- 寄り道:Lv10.フフルパのマヌケな罠
- F.A.T.E.:Lv10.ハンマーチャンス
- F.A.T.E.:Lv9.謎の巨大生物「ドゥーム・ギガントード」
- F.A.T.E.:Lv5.粗野な勝負師「無頼のグリスヒルド」
- F.A.T.E:Lv7 怒れる宝主「スピットファイア」
- F.A.T.E.:Lv7. 底無の酒豪「飲んべえググルン」
ウルダハの街は華やかな祭の様相を呈していて、冒険者の姿も多く見える。早く参加したいのだが、まだもう少し参加資格に足りない。
ルビーロード国際市場の入り口に新生祭販売担当と新生祭実行委員が立っている。委員さんに声をかけると、「過去に感謝し、今を祝福し、未来を祈る…。神聖なる心持ちで、新生祭を過ごしましょう…! 夜空には美しい花火が上がりますよ」と教えてくれた。
新生祭は、かつてエオルゼア全土を襲った悲劇、第七霊災の犠牲になった人々を悼み、その陰で戦った英雄たちに感謝するために行われているそうだ。期間中はクリスタルを用いた荘厳な装飾が街を彩り、夜空には美しい花火が咲き誇る。
「この幻想的な雰囲気に浸り、過去を偲び、今を喜び、未来の幸福を祈りましょう」
街には普段は見かけない人の姿がある。話に聞く詩人さんとか。早く参加準備をしよう。
私は剣術士の装備に着替えてホライズンへ向かった。
寄り道:Lv10.ペイストの瞳
ホライズンのサンライズ門側に店を構えるズズティロが「なあ、あんた、一口儲け話に乗らねえか?」と持ちかけてきた。
「うさん臭い? ははっ、とんでもねえ! 本当においしい話なんだって。ペイストって魔物を知ってるか? 生物を石化させる能力を持つ魔物だが…その眼球を錬金液に漬けると、綺麗な赤い石になるんだ。それが、宝石の代わりになるってんで、高値で売れるのさ。報酬は弾んでやっから、ペイストを倒して、ペイストの邪眼を四個とってきてくれ」
今まで耳にした儲け話よりかなり具体的だった。
ペイストはホライズンの近く、ホライズン・エッジでよく見かける魔物だ。鎌首をもたげたコブラに四本の足が生えたような姿をしている。四体討伐したあと、金槌台地とホライズン・エッジを結ぶ橋で騒ぎが起こっていたのでそちらに向かった。
F.A.T.E.Lv10.荒野の用心棒
ウルダハの警備隊「銅刃団」が街道をおびやかすペイストと戦っている
銅刃団の衛士と協力し、ペイストを倒せ
そういう指示だった。衛士たちが倒れないように、次々に集まってくるペイストを倒す。石化に当たらないように気をつけたり、剣術士として戦うならだいぶ余裕が出てきた気がする。でも戦っている様を撮影するほどの慣れはまだない。
ホライズンに戻って、ズズティロにペイストの瞳を加工して作られた宝石を渡した。
「おお! これはまさしくペイストの邪眼! 本当に取ってくるとは…いやいや、あんたなら取ってくると信じていたぜ! こいつはグリダニアへ出荷して捌く予定だ。黒衣森にはペイストは生息していないからな。ここより何倍も高値がつくのさ、へへへ」
普段のズズティロは、ウルダハでは手に入らない海の向こうから届いた舶来品を売っている。入手が難しいものを高い値段で売るという、ごく当たり前に思える商売の姿勢が、シルバーバザーやスコーピオン交易所では見かけなかった気がして、新鮮に感じてしまった。
昔のシルバーバザーにもこういう賑わいがあったのかな。
寄り道:Lv10.フフルパのマヌケな罠
ズズティロの店の近くに立っている銅刃団団員のフフルパが真剣な顔で言った。
「むむむっ、これは由々しき事態であります! 大変であります! 一大事であります! 実は、倉庫の物資が盗まれているようなのであります! 憎き犯人を捕まえるため、四個トラバサミをしかけることになったであります。手伝ってほしいであります!」
私は応じて罠を仕掛けるのを手伝った。フフルパは「ホライズンの安全は、我ら銅刃団が、命をかけて守り抜くであります!」と意気込んでいる人だ。
「終わったら、罠を用意してくれた銅刃団の仲間、チェチェザン君に報告するであります。お願いしたでありますっ!」
サンライズ門には二人衛兵が立っていて、一人は「魔物がこっち来ませんように」と祈っている。
門に対して平行に、柵になるような配置でフフルパは罠仕掛けポイントの目印を置いてくれている。四箇所に、フフルパが用意した盗賊捕獲用のトラバサミを仕掛け、自分が罠にかからないように避けて門内に戻る。
門をくぐって右手にいる、チェチェザンに報告した。
「罠を仕掛けておいたって? あ~、ご苦労さん。って! オイオイオイオイオイッ! 門の目の前に罠を仕掛けるバカがいるかよッ! 商隊のチョコボが怪我でもしちまったら大変だ! 罠は俺が片付けとくぜ。あ~、あんたには無駄な仕事させちまったな。すまん」
盗賊が来る前に商隊の往来の方が先かもしれない。それに倉庫の物資が盗まれているなら、倉庫の前に罠を仕掛ける方が犯人を絞れる。
想像したらもっと妥当な罠仕掛けポイントがありそうなので、チェチェザンに先に確認すればよかったね。こちらこそすみません。
「フフルパのやつ、余計なことをしてくれるぜ。あいつはイイ奴なんだが、頭にバカがつく真面目野郎なんだよな」
犯人の行動を想像しなければ、大きな範囲に罠を張っておいて網にかかるのを待つことになるのだろう。間違いではないが、犯人以外の者がかかる可能性も高くなるしもどかしい。
チェチェザンは普段「もっと楽して稼げる仕事はねェのかなァ?」と話しているが、今の仕事をなおざりにしているわけではない。配慮に欠けた同僚のフォローもする。私への気遣いがあったところも合わせて、対人関係と仕事の処理能力が高く信頼できそうだなあと思う。
集落を出て、討伐手帳を見ながらホライズン・エッジを散策することにした。そして騒ぎがあれば、積極的に首を突っ込んでいこう。
F.A.T.E.:Lv10.ハンマーチャンス
新たな縄張りを求めるハンマービークの群れが現れた
ハンマービークを倒せ
街道沿いにハンマービークが次々やってくる。
F.A.T.E.とはFull Active Time Eventの略で、各地で発生するものである。居合わせたタイミングで手を出しているが、慌ただしく進み、助けを求める人が何か言っていても気づけなかったり、聞き逃してしまうことが多い。
都度都度撮影してはいるのだが、今のところ戦果の記録写真ばかりだ。自分の戦いぶりまで気を配れないのが悔しい。現実で、旅の写真を見て「このとき何してたんだっけ?」となるような感覚である。行ったことは思い出せるのに、何をしたか思い出せないのは寂しい。
F.A.T.E.:Lv9.謎の巨大生物「ドゥーム・ギガントード」
一昔前に「謎の巨大生物あらわる!?」と世間を騒がせた魔物が10年ぶりに確認された
ドゥーム・ギガントードを倒せ
ノフィカの井戸、橋の下あたりにフクラガエルが肥大化し棘が生えたようなサンドトードと言う魔物がいる。フクラガエルほど可愛い見た目ではない。それがさらに巨大化したのがドゥーム・ギガントードだった。
倒した後、目を閉じた表情は可愛げがある。瞼が弛んでいて、色素沈着もあり、なんだか人間味を感じた。
F.A.T.E.:Lv5.粗野な勝負師「無頼のグリスヒルド」
腕自慢の荒くれ女冒険者が 自分に挑む挑戦者を求めている
無頼のグリスヒルドを倒せ
討伐手帳をめくって中央ザナラーンに移動した。
フェスカ冒険者キャンプを横切ろうとしたら、大木の下に無頼のグリスヒルドが立っていた。その視線の先にいるのは、敗北した冒険者だ。初めて死んでしまった時の相手との再会である。
「ゲッ!? お、俺は別に負けてないぞ。これはちょっと…そう、油断しただけだ!」
前と同じ冒険者が再び敗北したのか、今度は別の敗北した冒険者なのかわからない。
「では…勝負ッ!」
今の私はLv13で、グリスヒルドよりも練度が上がっていることになる。敵のレベルに合わせて戦うのだが、それでも今回はすぐに決着がついた。
「うっ、降参だ…」
彼女は膝をつき、宣言する。そうして「まだ鍛錬が足りないな…」と呟きながら去っていった。
妙な達成感が残った。
F.A.T.E:Lv7 怒れる宝主「スピットファイア」
滝の下のシラディハ遺跡にも、珍しい魔物がいるようだった。普段からよく見かける、ぬいぐるみのような黒い魔物スプリガンは、百科事典の博物誌によると呪具綱に分類される。
「岩や石像、人形などの無機物に、何らかの原因でエーテルが宿り、生物のように振る舞う存在」を指す。但し書きとして「迷信などが原因で生物が混在しており、分類を見直すべきとの意見も少なくない」とある。
スプリガンは岩場、鉱山に出没し、常に貴石を大切に持ち歩いている。そのため「財宝の守護者」と呼ばれ、採掘師に敬われているそうだ。石に操られているから呪具綱とされているらしい。
クルザスは山岳地域なので、岩や山を好みそうなのはわかる。見た目が暖かそうなのは、寒冷地に適応しているからではと考えていたが、ザナラーン地方に渡ってきたということは気温が低すぎるのを嫌うのだろう。
スピットファイアはスプリガンの三倍くらいはありそうな巨体だ。現実のイギリス製戦闘機を連想したが、spitfireは癇癪持ちとか短気を意味する言葉である。
これだけ大きな魔物が癇癪を起こすと、影響が大きいから倒せてよかった。
F.A.T.E.:Lv7. 底無の酒豪「飲んべえググルン」
酒房「コッファー&コフィン」への入店を断られたキキルン族が暴れまわっている
用心棒を守り、キキルン族を倒せ
酒房コッファー&コフィンの軒先に店の用心棒が立っていた。
「コッファー&コフィンは、キキルン入店お断りだ。お前、キキルンを連れていたりは…しねーか。獣人民族排斥令が出てるってのもあるが、正直あいつら、くせーだろ! だから入店を断ってるのに、食い下がるやつがいてな…」
現代に生きていて排斥令はあってはならないと思うのが当然の思考になっている。ただ、飲食店に強すぎる香水をつけた客、入浴していない不潔な体臭の客を断る権利はあると思う。倫理と礼儀の違いだ。
「数匹なら俺ひとりでも楽勝だが、最近は徒党を組んで乗り込んできやがる。手が空いてるなら、追っ払うのを手伝ってくんねーか?」
私は彼を手伝うことにした。
「この匂い…さっそく来たか」
用心棒が振り向く。坂の上にあるネズミの巣からキキルン・シェルスウィーパーがやってくる。「片付いたら一杯サービスな!」と彼は言った。
キキルン・シェルスウィーパーたちは「酒がぶがぶっちゃ!」などと声を上げている。用心棒は「しつこいっ!」と言いつつ向かっていく。最後に飲んべえググルンが降りてきた。他より体が大きく強い。二人で倒し、「よし、片付いたな!」と頷き合った。
「心置きなく飲んでいけよ」
用心棒は私を誘って、酒房内に入っていった。ついて行くと、用心棒は飲まずに「俺も休憩すっかな」と店の奥へ進み、姿を消す。
店が彼のために用意した部屋があるのかもしれない。
私も酒は遠慮して、討伐手帳と向き合うことにした。Lv15までもう少しだ。剣術士ランク1のページをコンプリートし、ようやく新生祭に参加できることになった!