エオルゼア社会科見学旅行

2022年7月初めてエオルゼアの地に降り立ちました

御礼品は予約品

王立ナナモ菜園から見えるウルダハの街

 

Lv6.御礼品は予約品

 ウルダハ操車庫の線路のそばに立っているシシドアが、少し恩のある酒房・コッファー&コフィンの店長ロジャーにナナモパンプキンを贈りたいと言う。ナナモパンプキンとはカボチャのブランド名のようだ。王立ナナモ菜園で既に予約してあるらしい。

そりゃもう高かったがまぁ、今回は大奮発だな」

 少しと言いつつ、ロジャーに対してとても感謝しているのだろう。その品を自分で引き取りに行きたいが、ナナワ銀山からの荷が遅れていてしばらく操車庫を離れられないから、代わりに頼みたいとのことだった。

 王立ナナモ菜園のガガリには一度話しかけている。私はパンプキンの引替伝票を預かった。ナナモパンプキンを引き取ったら、そのままコッファー&コフィンに届ける仕事である。

「君には手間をかけて悪いが、ちょっくら頼んだよ!」

 菜園はすぐそこだ。前は真っ暗な時間帯に来たので、今日はまた雰囲気が違って見えるかと思ったが。地面も景色も道具類、だいたいほとんどのものが茶色い。カボチャの葉はくすんだ緑。目につく色は立派に育てられたカボチャのオレンジ色くらいである。

 やっぱりどこかどんよりとして感じる。

 ガガリは今日も木箱に腰掛けて背を屈めていた。ちらりと横目でこちらを見て、「今日は野菜の引き取りが一件あったはずだけど、 まだシシドアが来ないみたいなのよねぇ と疲れたように言う。

 私は王立ナナモ菜園で予約したパンプキンの引き換え伝票を手渡した。

「あら、このパンプキンの引替伝票はシシドアの依頼ね。 ナナモパンプキンならバッチリ用意してあるわ」

 ガガリは身体を起こし、ナナモパンプキンを渡してくれた。

「この辺りは、なかなか新鮮な野菜が取れないからね、 うちの野菜は予約がビッシリ埋まってるブランド物よ!  きっとロジャーも喜んでくれるんじゃないかしら」

 コッファー&コフィンは地元の働き者が集まる、おいしい酒房だそうだ。この辺りで仕事をしている人たちはみんな顔見知りなのだろう。

「それじゃあ、お願いするわね」

 北西の橋を渡った先、中央ザナラーンを横切る川より北側はまだ未知の場所だ。だんだん足を伸ばせるところが増えていく。

 橋を渡って北上すると、西部劇のような荒野が見えてきた。コッファー&コフィンという店の佇まいや周囲のサボテンに似た植物など、荒くれ者が集いそうな景色だ。

 

 店の隣の広場入り口に、アダルフンスという銅刃団員が立っている。こういう店にも警備がつくほどやはり治安が悪いのか。

 彼はナナワ銀山について教えてくれた。霊災からの復興特需で鉱石の需要が増えたため銀山の再開発が始まったという。

「おかげで人も集まり店ができて、毎日美味い酒が飲める。霊災も悪いことばっかりじゃぁねぇな、ハハハ」

 起こってしまったらもう笑って受け入れるしかないという心境なのだろうか。店の中にも銅刃団員がいて、彼らはテーブルを囲みくつろいでいる。ラウンデルフは「毎日真剣に警備をしている俺達にとって、一番重要なのは、こうした息抜きってわけよ」と話す。

 カウンター手前で店員のウォウォバルが歓迎してくれた。

「美味しいお酒に美味しいツマミを用意していますからね、仕事の疲れなんて、どっかに飛んでっちゃいますよ!」

 普段の私は酒を飲むと頭痛が起こる体質なので、疲れを吹き飛ばすために飲酒する習慣がない。代わりに糖分を摂取するのだが、そういえばこの世界には甘味処のような店やメニューはあるのだろうか。

 商人らしきソリッド・トランクのテーブルには何本もの酒瓶が置かれていた。

「ザナラーンの荒野を越えてきた行商人は、疲れ果てた身体を引きずって、この店に飛び込むのだ。そこで口にする最初のひと口は、まさに命の水。この世のものとは思えないほど美味。ふた口めからはただの酒なのだが不思議なものよ」

 ただの酒好きではないかな。

 リカルドのテーブルにも同じくらい酒瓶がある。「毎日酒が飲める程度には、稼がせてもらってるよ」と言うから、かなり裕福に違いない。ガガリの口ぶりだと安酒を出す店のようには思えなかった。

「ブラックブッシュ周りは人が増えたからな、最近こっちまで商売に来るようになったのさ」

 商人の活動範囲が広がるくらい賑やかになってきているし、稼げるほど復興が進んでいる。商売の前線にいる人々にとってはそういう時期なのだ。

 

 店内をぐるりとまわった後、カウンター内に立つ店長のロジャーに話しかけた。

「ご注文は? お代なら気にしなさんな。 エールでも蒸留酒でも、ウルダハ都市内よりは安く出すぜ?」

 お代を気にするなとは? とても良心的な人なのかもしれない。

 王立ナナモ菜園で栽培された貴重なカボチャ、預かり物のナナモパンプキンをカウンターの上に置く。実際には見えないのだが、どのくらいの大きさで、私はどうやってこれを運んできたのだろう。見上げる高さのカウンターに置くのは一苦労だ。

っと、シシドアからの届け物だって? はっはっは、この間アイツが店で酔いつぶれて、 アイツの家まで運んでやった時の礼ってとこかね」

 めちゃくちゃいい人だ。シシドアと友達なのかもしれないが。

「王立ナナモ菜園のナナモパンプキンとは美味そうだ。 こいつはうちの料理人にバッチリ渡しておくぜ、 きっと腕によりをかけてくれるはずさ! うちに来る大食いの肉食労働者共にふるまって、野菜を食わせてやるいい機会だぜ! ありがとな!」

 カボチャが好きなので、私もぜひ食べに来たいなあ。この地域では新鮮な野菜が手に入りにくいそうだが、食物繊維は何から摂取しているのだろう。

 

寄り道:Lv6.大地の循環

 カボチャが喜ばれたことをガガリに知らせようかと王立ナナモ菜園に戻った。

 農夫ヒヒヤジャとも話し、良い野菜が取れるようにするための方法を教わった。

「コツコツと時間をかけて良い土を作って、畑の土を栄養たっぷりにしないといけないんだ。土を豊かにするためには、ミミズに土を食べてもらって、栄養たっぷりの糞をしてもらうのが一番なんだが

 なんとその大事なミミズを、畑の地中にいるスニッピング・シュルーが食べてしまい、土が荒れ始めたと言う。このままだと畑が壊滅するから、畑にできたモグラ塚を三箇所調べ、出てきたスニッピング・シュルーを全て倒すという任務を仰せつかった。貴重な畑を守らなければ。

 ちょっと時間がかかってしまったが、ヒヒヤジャは「スニッピング・シュルーを倒してくれたのかい? あんた、強いんだなぁ、ありがとなぁ!」と言ってくれた。

「これできっと土に栄養が戻って、栄養たっぷりのカボチャが育てられるはずだよ。いつかナナモ様にも食べて貰えるくらい美味しい野菜を作るために、これからもコツコツ頑張るよ!」

 それを聞いてはたと気づいたのだが、このヒヒヤジャの話は、先に聞いたナナモパンプキンの前日譚だったのではないだろうか。エオルゼアデータベースで確認すると、このエピソードはメインクエスト「ササガン大王樹の下で」が前提となるものだ。

 つまりヒヒヤジャが栄養の戻った土で育てたカボチャをナナモ様に食べてもらい、それをきっかけにナナモパンプキンと命名されたブランド野菜が流通するようになったと読むこともできる。

 「ナナモパンプキン」にまつわるエピソードに、私も協力できたと考えてもよいのかなと思うとちょっと感激だ。せっかくだから、これからはできるだけクエストの発生順に読んでいきたい。